ウォッチねっと 3周年記念集会 を開催しました。

9月27日、ウォッチねっと3周年記念集会を開催しました。

1 この1年の主な活動項目
(1) 事故原因究明期間の創設
製品事故などの原因究明の設置を求めて、「新しい事故調査機関実現ネット」の参加団体として活動。
10月1日、消費者安全調査委員会が設立されました。
私たちのもとめていた完全に中立の機関とはいえない面もありますが、これを第一歩として、充実を求めていく方針です。

(2) 地方消費者行政充実対策
各地での消費者センターの設置や、消費生活相談員の配置・増員を求めて、シンポジウムの開催、地方議会請願活動、議員要請を行ないました。
近年、地方消費者行政強化の財源となっていた消費者行政活性化基金が終了を迎える中、対策を継続していく必要があります。

(3) 国民生活センター問題への対応・新しい消費者行政の在り方の検討
国民生活センターの消費者庁等への統合が検討される方針の妥当性の検証、意見の表明を行ないました。
行政コスト削減の視点で統合を進めようとする流れは変わりつつありますが、まだまだ十分とはいえず、活動を継続していく必要があります。

(4) 訪問販売・電話勧誘被害撲滅のためのキャンペーン
昨年同様、訪問販売お断りステッカーを販売し、消費者庁・消費者委員会との意見交換会を行ないました。

(5) 東京電力電気料金値上げ問題への対応
電気料金値上げ問題についての消費者庁検討チームに委員として参加しました。

(6) 原発問題
原発問題についてはまだ勉強中の段階ですが、原子力規制委員会人事に意見表明を行ないました。

(7) 食品表示一元化問題
消費者庁が設置されたときからの懸案であり、意見書の提出、消費者庁との意見交換会を行ないました。

(8) 消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの評価・公表
本シンポで発表。
今回は、私たちからの評価だけでなく、各機関の代表者にもご出席いただき、意見交換を行ないました。

2 消費者行政評価発表
3回目となる、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの評価です。
完全版(PDF)はこちら

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●消費者庁全体
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(1) 透明度 3
諸課題の検討状況についてはHP等を通じてある程度透明化が図られているが,個々の方針決定の理由の開示など不十分な点も。

(2) 積極度 2
独自の判断で企画立案を行おうという前向きな態度が見られない。集まった情報を無駄にせず,消費者の権利実現のために積極的な法律・制度の改変を行って欲しい。

(3) 消費者度 3
東電電気料金問題やコンプガチャなどで消費者庁の名前が耳目を集めるようになったことは評価できるが,他方で安愚楽牧場,茶のしずく等致命的な失策も明らかになっており,消費者目線が庁全体に浸透しているとは到底言えない状況にある。新しいHPの評判は芳しくない。消費者の使い勝手に対する配慮が不十分。

(4) パフォーマンス度 3
消費者安全法改正,特商法改正が実現できたことや,景表法・特商法の執行件数が消費者庁創設前の水準に戻っていることは評価できるが,逆に食品表示,消費者安全などまだまだ努力不足の分野もあり,さらなる努力が求められる。

(5) コミニュケーション度 4
消費者団体との意見交換会を頻繁に行うなど積極的なコミュニケーションを図ったことは評価できる。今後課題ごとにさらに深掘りした議論の場を設定することが望まれる。聞き置くだけで終わらないことが大事。

(6) 総合評価 15/25
松原担当大臣の就任後,行政刷新・地方主権改革至上主義の悪弊から徐々に状況が改善されつつある。概算要求で地方消費者行政支援に合計45億円を計上したり,総務省とのすりあわせの下で消費生活相談員の雇い止めを食い止めようとする姿勢は高く評価できる。
他方,国民生活センター一元化問題で不毛な労力を費やしてきたことは残念。安愚楽牧場・茶のしずくなど,行政庁としてはあるまじき失策も明るみに出ており,真摯な反省と改善策の検討・実行が求められている。今後,阿南長官の下でさらに消費者の目線に立った施策を遂行することが望まれる。

※消費者庁には課ごとの評価もあります(PDF)。

●消費者委員会
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(1) 透明度 3
委員間打合せの概要が公表されているが、まだ内容は不十分である。「消費者契約法の関する調査作業チーム」及び「電気料金問題検討ワーキングチーム」については、ほとんど公表されず、密室での検討が進んでいる。また、取り上げるテーマの優先度が不透明である。

(2) 積極度 3
委員長の定例記者会見や地方消費者委員会の開催等、積極的な姿勢がうかがえるが、その結果がどのように活かされているのか、分からない。また、建議、提言、意見書等の起草については、より委員の積極性や特徴を力強く打ち出してほしいところ。

(3) 消費者度 2
そもそも消費者団体・弁護士等の委員が少なく、委員構成に問題がある。「健康食品の表示等の在り方に関する考え方」や「食品表示の一元化」等については、消費者の立場に立った考え方とは言いがたく、多くの課題を残した。課題だった消費者委員会に寄せられる意見や要望等の対応策がいまだ見えない。

(4) パフォーマンス度 3
電気料金問題については、消費者の立場に立った積極的な意見表明を行なったが、消費者庁との関係が見えず、力を入れた割に存在感が示されなかった。委員会では、いつも決まった委員ばかりが発言し、他の委員の考え方が見えない。また、建議・提言・意見等は、委員間でとことん議論し、納得した上で決定・公表することで、説得力が増すことになる。

(5) コミュニケーション度 2
消費者団体等との意見交換会を開催しているのは評価できるが、その結果をどのように活用しているのかが見えない。個々の委員は、消費者・消費者団体と交流しているのか、どんな活動をしているのか、ほとんど見えない。消費者団体等が開催している集会や勉強会等に参加し、日頃からもっと情報交流・収集をし、消費者問題を肌で感じて欲しい。

(6) 総合評価 13/25
高い期待感の中で発足した消費者委員会も、試行錯誤の中で3年間の実績を積み上げてきた。しかし、第1期から2期委員会への取組への継続性が断たれたことに加え、消費者の意見を政策に反映させるとしながらも委員会に寄せられた消費者・国民の意見についての検討体勢が未整備のままである。また、試行錯誤の姿は見えるが、消費者委員会として期待される監視体制は盤石とは言えない。本来の消費者委員会全体の「あるべき姿」、「方向性」、「消費者の権利をどう確立するか」が必ずしも明確ではなく、これらの基本的な姿勢を、改めて国民、消費者、関係者に伝える手法の改善と、委員全体の努力に期待したい。

●国民生活センター
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(1) 透明度 4
実施業務についてかなりHPで公開されており、かなり役所的に考えると透明度は高いと判断する。しかし、情報提供等に関しては、公表等について尺度等明確さに欠ける。

(2) 積極度 2
一元化議論、タスクフォース、検証会議と国センの在り方をめぐっての議論が進む中で、当初は一定の存在意義や積極度がみられたものの方向性がなかなか定まらない中で自らの存在意義すら見失いかけ例えば茶のしずく石鹸のような事案が入っても公表を失するなどの失態を露呈した。

(3) 消費者度 4
そもそも国センはこの消費者度が満足していなければ、その存在意義も薄れるという設立理念をもつ。が、各行政庁が「消費者視点」を掲げる中にあってその存在が、リードオフマンとして社会から求められているのだということを再認識するべき時。

(4) パフォーマンス度 3
記者発表とか、ルーチンワーク的なものをこなしていくだけで精いっぱい。ある意味、どのようなものでも取り上げていただける活動内容にも拘わらず、消費者にしっかりと情報を届ける努力や、国センに期待される活動内容を把握する努力に欠けていたのでは。相談に係る商品テストなども全件受諾は評価するものの、案件処理に時間がかかりすぎているケースもあり、さらなる努力が望まれる。また案件処理に要する期間等についての情報の発信を丁寧に行い、地方の現場に無用な混乱・誤解を起こさない工夫も必要である。

(5) コミュニケーション度 3
例えば法律雑誌の購入を一部の部署で止めても弁護士会や消費者団体との連携が進み、代替情報の入手には差し支えないという感覚があるが、それ自体を問題視するものではないが、連携の内容こそが問題である。連携をとって心地よい会、団体とのコミュニケーションは進んでいると思われるが偏りがみられ、今の消費者が何を考え何を求めているかのセンサー機能は全方位コミュニケーションこそが必須である。

(6) 総合評価 16/25
独立行政法人として、さまざまな消費者行政を補完したりリードしてきたこれまでの気概が失われ、国の議論の行方をただ見ているという感がある。どのような環境の中でも消費者視点の政策の発信や消費者啓発の情報提供のスタンスを崩すことなく消費者政策の展開が求められる。

3 パネルディスカッション
~消費者庁・消費者委員会・国民生活センターのこれまでとこれから~

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これまでは私たちの評価を発表するだけでしたが、今回は、各機関の長をお招きし、評価に対してのご意見や今後の展望について、会場とのディスカッションを行ないました。
以下は、ご発言の一部です。

(1) 阿南 久 消費者庁長官
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コミニュケーション度について、4との評価だが1か2だと思っている。
消費者団体との意見交換、中央はいいが地方が課題。

地方の行政当局との関係では、消費者教育推進法について、都道府県の担当者100名に集まってもらった。こういったことをもっと頻繁にやらないといけないと思っている。

地方の行政は地方の消費者団体が支えている。
それをしっかりやろう、担当課も地方に出かける、説明して協力を得る体制を作りたい。

消費者庁に入ってみて分かったが、各課は必死だが理解されていない面もある。
消費者庁内でも情報を共有しようとしている。
大変だがそこなしでは消費者庁の理解は広まらない。

(2) 河上 正二 消費者委員会委員長
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消費者委員会は9月で創設から100回目の開催となる。
評価については、がんばってもこの程度の評価かとの思いもあるが、真摯に受け止めて改善に努めたい。

評価について、誤解ではないかと思われる点もある。

透明度 消費者契約法のワーキングチームが密室ではと言われているが、学者を中心として専門的な論点をしている段階。論点絞り込めたら中身を示していきたい。
電気料金のワーキングチームは、委員が専門的知識を得るためにお願いしたもので、表に出ることは想定されていないもの。

食品表示は、消費者委員会としては意見はまだ表明していない。まずは利用者の実態調査、意向を踏まえて方向性を考えたい。
表示一元化については、消費者庁から報告をいただき意見交換をした段階。これから意見や要望を受けながら検討、具体的な提言にしたいという段階。

コミニュケーションも、地方消費者委員会の開催、地方懇談会への参加など努力している。
温かい目で見守っていただきたい。

(3) 野々山 宏 国民生活センター理事長
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透明度、高いと評価があるがまだまだ閉鎖的な部分もある 公開性高めていきたい。

積極度、茶のしずく公表失したため積極度マイナス評価なのか?(←公表されたのは2011年だが,公表の遅れが認識されたのは過去1年内であるため今回の評価に含めた(昨年の評価では考慮していない)。消費者庁より公表が遅かったことは事実であるためマイナス要素とした。)

総合評価 ただ見ているだけとあるが、昨年はタスクフォースで当事者として意見が言えた。今年は検証委員会となり当事者ではなくなったため、社会にアピールする機会がなかった面もある。これからは議論にできるだけコミットしていきたい。

手口公表、政策提言、制度発信も取り組んでいきたい。

コミニュケーションについては、月2回記者レクをしている。

昨年、詐欺的サクラサイトのキャンペーン、110番を行なった。今後も強化していきたい。

商品テスト 全件受託で現場に混乱?との実態はないと考えている。

コミニュケーション度 弁護士会、自治体とも共同。松原大臣のように課題毎に多くの消費者団体とのコミニュケーションをとることが必要かと思っている。

4 特別報告・地方消費者行政の充実について
地方消費者行政の充実の課題について、池本誠司弁護士より報告をいただきました。

消費者行政活性化基金は本年度で終了しますが、基金終了後の財源確保に向けて検討を行なうとの「消費者基本計画」が閣議決定されました。
消費者庁も、平成25年度予算について、「地方消費者行政活性化交付金」等で45億円の予算を概算要求しました。

このように、消費者行政についての行政刷新(コスト削減)の流れは変わりつつありますが、「交付金」については、自治体の自主財源でも2分の1を分担するとのルールがあり、この運用によっては、地方自治体で活用しにくくなるとの問題があります。

地域の消費者団体を育成し、消費者力を高めることも必要です。
消費者教育推進法に基づき、消費者団体の育成支援に自治体が人と予算を注ぐ必要があります。
その団体がサポーターとなって地方消費者行政を強化する必要があります。

会場からは、以下の発言をいただきました。
「各地からは、自治体から新規予算の支出が難しい、人件費の2分の1の負担は困難との声が寄せられている」
「財源が厳しい中、やらなければと思っている。しかし、基金からまだ4年。予算獲得には実績が必要であり、自力で動けるようになるまでは支援が必要」

5 今後の活動
(1) 地方消費者行政充実対策
(2) 国民生活センター問題への対応
(3) 不招請勧誘禁止運動の展開
(4) 食品表示の一元化
(5) 消費者安全調査委員会への対応(事故調ネットを通じて)
(6) 原発問題、エネルギー問題
(7) 消費者団体への支援制度確立
(8) 個人情報保護問題
(9) 公益通報者保護制度
(10) 食品問題(こんにゃくゼリー問題、食品安全委員会のありかたなど)
(11) 悪質商法提携リース問題への取組み
(12) 消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの評価・公表