若年者の消費者被害対策がないまま 民法の成年年齢の引き下げを行うことに強く反対します!!

現在,成年年齢引き下げを内容とする民法改正法案の提出が検討されています。
しかし,十分な対策もとらないまま成年年齢が18歳まで引き下げられれば,18歳,19歳の若者が未成年者取消権の保護から外れ,取引に関する知識・経験・判断能力等の未熟なこれら若年者の消費者被害が今以上に増大してしまうことは明らかです。
成年年齢の引き下げを議論するのであれば,その前提として,若年者の消費者被害の増大を防ぐ具体的な対策が取られなければなりません。
この点私たちは,以下のような対策が必要であると考えます。
1 恋人商法や霊感商法等,若年者の知識,経験,判断能力の不足につけ込んで断れない状況を創出して契約を締結させるいわゆる「つけ込み型」の勧誘方法が取られた契約について,消費者契約法上の取消権を導入すること。
2 ネットゲーム等のインターネット取引をはじめ,若年者のトラブルが多い通信販売の分野については,特定商取引法上,一定額以上の取引について,事業者が当該若年者の知識・経験・財産状況に照らして不適当でないことを確認する義務を負い,事業者が不適当でないことを立証しない限り契約が取り消せることとすること。
3 若年者でトラブルが多く,また一度トラブルに遭うと財産的被害のみならず精神的被害も甚大となってしまう,いわゆるマルチ商法(連鎖販売取引)については,特商法上,若年者に対する勧誘を全面的に禁止した上,若年者取消権を認めること。
4 その他の特商法上の取引についても,類型的にトラブルの発生が多い分野であることから,いわゆる適合性の原則に合致しているかどうかの確認義務を事業者に負わせた上,事業者がこれを証明しないかぎり契約が取り消せることとすること。
5 収入が少ないはずの若年者の財産被害が拡大してしまう一因である,クレジット・貸金・銀行貸付等の与信契約を若年者が契約する場合には,資力要件を厳格化するとともに,事業者に対して厳しい支払能力の調査義務・過剰与信防止義務を課すこと。
6 この機会に,若年者の消費者被害状況の大幅な改善を実現するため,以上のような制度改正の保護対象は18歳・19歳に限らず,22歳程度までも含めた「若年成人」とすること。
以上のような実効性ある被害予防策がとられない限り,私たちは,民法の成年年齢を引き下げることに強く反対します。

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